世の中にはなくてはならない道具があります。
これはスコヤです。直角と斜め45度をけがく道具です。けがくとは線をひいて印をつけることです。鉛筆で線を引くこともしますし、相手が鉄や金属の場合ケガキ針という道具で引っ掻いて印をつけます。
鉛筆の線では太い場合などがよくあると思うのですがその場合刃物を使って印をつけたりします。僕はカッターナイフです。ミリよりも細かい加工が必要な時に使える技ですのでみなさん覚えておいて損はありません。ん!必要ありませんでした?
けがく道具は職人の精度に直結しますから大事なんですよ。鉛筆の先が丸まってるなら荒い仕事のときです。職人それぞれ鉛筆の削り方にこだわりがあったりします。細ーく線を引くんです。びっくりしたのは太く線を引いて線に幅をもたせて線の際で罫書きをする人もいます。仕事の仕方も人それぞれ。
職人さんの仕事を見る機会があったらけがき方をよく見てみてください。面白いですよ。
この道具は正式には留めスコヤだったかな。下に台のように出っ張りがあるのでそれに引っ掛けて直角や45度に印をつけます。額縁の角のように45度と45度を合わせて直角を作ることを「留めにする」なんて職人用語がありますが「留め」にするときによく使うのですが僕は便利なのでいつもこれです。
不思議なのは直角を出す道具にはいろんな形状があるんですがほとんどスコヤと呼びます。スクエアからきてると聞きました。つまり明治維新後です。それまでの道具は指金/指矩です。
クレーンでも職人用語に巻き上げがゴーヘイ(go ahead) 巻き下げがスラー(slack:たるむ)とか、治具は英語の「Jig」の当て字だったり、どういう経路で職人用語になったのが想像するだけで楽しいですね。お雇い外国人が持ってきたものなんですかね。教科書には載らない職人の歴史です
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